【最新】外国人と健康保険制度をめぐる問題

  • 2018.06.22 Friday
  • 17:38

 

日本の医療費が外国人に食い物にされている?!

 

近時、このようなニュースを眼にすることが多くなっています。

 

報道によると、日本で安く医療を受けるために『留学』ビザを取得して来日する中国人が増加し、日本の医療費を圧迫しているといいます。

日本を訪れる中国人の間でとりわけ需要が多いのはC型肝炎で、特効薬のハーボニーは3カ月の投与で465万円かかるところ、国保に加入して医療費助成制度を使えば、月額2万円が上限になるため、そういった治療目的でビザ申請を行うケースもあるようです。

(出典:PRESIDENT Online

 


 

もちろん、上記のような事例はごく一部の心無い人による行為かと思います。

 

しかし、一部のビザを除き、日本に在住する外国人は原則として国民健康保険の被保険者となることができるため、「健康保険証(国民健康保険被保険者証)」を取得すれば、来日間もない外国人であっても、日本人と同様に低い自己負担で医療を受けられるのは事実なのです。

 

たとえ外国人であっても、都道府県の区域内(つまり日本国内)に住所を有する者は、社会保険に加入している場合等を除き、都道府県の区域内に住所を有するに至った日から、国民健康保険の被保険者となるとされているからです(国民健康保険法5条、7条)。

 

 

それにしても、なぜわざわざ『留学』ビザを取得する必要があるのでしょうか。

 

日本で医療を受けたいのであれば、そのために用意された『特定活動』(告示25号)というビザ(いわゆる『医療滞在』ビザ)があるため、そのような専用のビザで来日すれば非難されるいわれはないはずです。

 

なぜ、前記『医療滞在』ビザではなく、ウソをついてまで『留学』ビザで来日するのか。

答えは、『医療滞在』ビザでは国民健康保険に加入できないからです。

つまり、『医療滞在』ビザでも来日できるが、それだと全額自腹で支払わなければならないため、忌避される傾向にあるのです。

 

◆国民健康保険法6条は「適用除外=被保険者となれない者」として以下の11パターンを規定しています。

 


 

第六条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険(以下「都道府県等が行う国民健康保険」という。)の被保険者としない。

 

一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者を除く。

二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の規定による被保険者

三 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)又は地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)に基づく共済組合の組合員

四 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定による私立学校教職員共済制度の加入者

五 健康保険法の規定による被扶養者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者の同法の規定による被扶養者を除く。

六 船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者

七 健康保険法第百二十六条の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第三条第二項ただし書の規定による承認を受けて同項の規定による日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第百二十六条第三項の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定によるその者の被扶養者を除く。

八 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)の規定による被保険者

九 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者

十 国民健康保険組合の被保険者

十一 その他特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの

 


 

上記のうち、外国人については太字で示した11号にあたるため、さらに省令を確認する必要があります。

省令(国民健康保険法施行規則1条)は以下の外国人を「適用除外=被保険者となれない者」として列挙しています。

 


 

第一条 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号。以下「法」という。)第六条第十一号に規定する厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。

 

一 日本の国籍を有しない者であつて、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十五に規定する外国人住民以外のもの(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)に定める在留資格を有する者であつて既に被保険者の資格を取得しているもの及び厚生労働大臣が別に定める者を除く。)

二 日本の国籍を有しない者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの(前号に該当する者を除く。)

三 日本の国籍を有しない者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの(十八歳以上の者に限り、第一号に該当する者を除く。)

四 日本の国籍を有しない者であり、かつ、前号に規定する者に同行する配偶者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの(第一号及び前号に該当する者を除く。)

五 その他特別の事由がある者で条例で定めるもの

 


 

上述した『医療滞在』ビザは太字で示した2号が該当するため、国保には加入できないのです。

 

★なお、『短期滞在(いわゆる観光ビザ)』や3ヶ月以下の在留期間のビザも被保険者になることはできません(同条1号)。

同じく『特定活動(観光・保養を目的とするロングステイビザ)』(告示40号・41号)も国保には加入できないため、全額自己負担となります(同条3号・4号)。

 

 

一方で、『留学』ビザを含む中長期在留者については、上記適用除外とはならいため、外国人であっても国保に加入することができます(というよりも、加入しなければなりません)。中長期在留者の中でも、『留学』ビザは比較的取得のハードルが低いため、日本の国保に加入する"手段″として『留学』ビザが悪用されてしまっているのです。

 

まじめに勉強に励む留学生がたくさんいる一方で、上記のような不届き者もいるわけです。

留学生のビザ申請をお手伝いすることも多い私たちとしては、なんともやるせない気持ちです。

 

このような現状に対して、国会議員の中には在日外国人に国保は適用すべきでなく、新たな医療保険を用意すべきだとの声もあがっているといいます。(参考:zakzak by夕刊フジ

 

永住ビザJAPAN公式ブログで以前紹介したとおり、来年創設される新たな就労ビザにより、今後外国人の急増が予想されています。現在の状況を放置すれば、外国人の増加が社会保障費のさらなる増大を加速化することになりかねません。

 

 

「すべての国民に一定水準以上の平等な治療を提供する」

この社会的理念に基づく国民皆保険制度は、日本が世界に誇る"助け合いの仕組み”です。

 

私たちがこれからも安心して医療を受けられるようにするためにも、

助け合いの調和を乱す不届き者は排除しなければならないはずです。

 

 

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入管法上の身元保証人について2

  • 2017.08.29 Tuesday
  • 10:13

JUGEMテーマ:行政

 

東京帰化相談室の河村です。

先日、入管法上の身元保証人について、その保証内容を十分に理解することが重要であると述べました。入管法上の身元保証人については、やはりその保証内容がいまいちよくわからないというご質問を頻繁にいただくため、保証内容の理解は重要であると実感します。

ただ、入管法上の身元保証人に関する質問で上記に次いで多いのは、その保証期間についてです。なお、これは特に身元保証人になる方からご質問をいただきます。

 

 一体、いつまで保証しなければならないのか。この疑問を抱くのは、至極当然であり、保証内容について把握したからといって、その期間も正確に理解する必要があります。

期間については、身元保証書に「上記の者の本邦在留に関し〜」とあるよう、原則、その外国人が出国するまでとされています。勿論、やむを得ない事情で身元保証人を続けることができなくなった場合や、保証することが適当でなくなった場合等には、身元保証人の交替が認められることはあるようですが、簡単に交替が認められるものではないということには注意が必要です。

 

 

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入管法上の身元保証人について1

  • 2017.08.18 Friday
  • 19:03

JUGEMテーマ:行政

東京帰化相談室の河村です。

永住許可申請を行うにあたっては、身元保証人が必要になり、その方の書類の提出が求められます。しかし、日本では、身元保証人という言葉を聞くと尻込みしてしまう人も多く、永住許可申請に際して身元保証人がなかなか見つからないというケースも多々見受けられます。

 

身元保証人を探すにあたって重要なのは、まず申請人が入管法上の身元保証人についてきちんと理解し、対象の方に保証内容を伝えるということではないのかと思います。なぜかというと、申請人、保証人ともに身元保証人という言葉の意味を誤って理解している人が多い現状があると考えるからです。そもそも、身元保証人という言葉の意味を間違って捉え、保証内容が不明瞭のまま相手に身元保証人になってもらうことを依頼するということは、一体どのような責任を負わなければならないのか、漠然とした不安をお互いに抱くのが当然です。

 

入管法上の身元保証人は、被保証者の滞在、帰国旅費 、日本国法令の遵守を保証するものです。つまり、入管法上の身元保証人の意味は、民法上の身元保証人とは異なり、その責任は道義的なものにとどまると考えられます。そのため、一般的には保証人が保証責任を果たせなくなったからと言って、ただちに法律上の責任を追求されるわけではないと言われています。(保証事項を履行しない場合、保証事項の履行を指導されることがあります。その場合、身元保証人としての責任を果たしておらず、身元保証人としての適性を欠くと判断されることもありますが、あくまでもただちに法律上の責任を追求されるわけではありません。)

 

永住許可申請を検討する場合、まずは自分が上記の保証内容を十分に理解したうえで、保証人になってもらうことを依頼する方にその保証内容を伝えるべきであり、また、身元保証人になる方もその保証内容をきちんと把握しなければならないと考えます。

 

 

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